Our Services 取扱分野

船舶衝突

言うまでもなく、事務所設立時より、船舶の衝突事件は当事務所の主要取扱分野であり、船主、P&Iクラブ、船体保険者らを代理して、重大事件を含む数々の事件を取扱って来た。また、内外の海事補佐人その他海事専門家らと協力し、事件解決に向け、衝突事件では鍵となる迅速性・効率性をもって対応している。衝突事件取扱いには共同海損、救助、船骸撤去、船主責任制限、貨物求償/防禦、傭船契約等その他分野の知識経験が不可欠であり、管轄地、準拠法等への配慮も必要となる。当事務所はこれらに精通しており、これら関連国での法律、弁護士等にも十分な知識経験を有している。

救助

救助案件の多くは英国法準拠でロンドン仲裁である。1970年代より、本邦弁護士として、当事務所小川洋一がこの分野の専門性を高め、多くの主要救助事件において船主、また時として救助業者を代理してきた。言うまでもなく、この分野では経験、事件取扱における洞察が必要である。近年では、LOF with SCOPIC案件だけでなく、JSE書式での救助案件も取扱っている。後者の仲裁事件は増えており、当事務所はJSEの救助仲裁案件のほとんどに関わっている。

貨物求償/防禦

海法分野において貨物求償、貨物防禦は伝統的な分野である。当事務所は、多くは船主、傭船者、その責任保険者を代理している。貨物損害の種類は様々であり、貨物及びその運送に関わる幅広く深い知識が必要とされる。当事務所はその分野に精通した弁護士、海事専門家、外部の高度の知識を有する専門家とともに調査、研究を行いこれらの案件に対処している。

船舶売買

船舶売買の相談及び紛争に関する案件は、近年相当に増加してきている。多くの紛争は、契約当事者又はその関係者の財政状態、契約協議又は交渉、契約条件等に起因している。契約条件の改善及び検討のためには、関係する船舶についての技術的・営業的知識を有しなければならない。当事務所の弁護士及び顧問は、契約条項について助言するにあたり常にこのような知識及び経験を反映させるよう努めている。船舶の売買及び建造に関する仲裁又は訴訟案件も多数扱っている。

船舶金融

船舶金融は、船主の人的信用力、船舶の物的価値、傭船による収益を担保とする金融であり、当事務所は、新造船の建造や中古船購入における融資契約、それに関連する人的・物的担保の設定(保証、船舶抵当権、傭船料債権・保険金請求権の譲渡等)、仕組船の構築、収益源の傭船契約の検討などの契約事項のほか、船舶の売却、処分、保全、執行(差押や担保権実行)等の現実的債権回収も数多く手掛けている。

海賊

当事務所は、1990年代のマラッカ海峡における海賊、2000年頃から活発となったソマリア沖の海賊、その他の場所で本邦船主が海賊に遭遇した海賊案件の殆どを扱ってきた。海賊に拘束された船舶の早期かつ安全な解放、貨物関係者や傭船者等の利害関係人との間の合理的紛争解決のためには、経験豊富な弁護士、海事専門家、海賊関連専門家の確保とその連携が重要であり、当事務所はこれに対応する能力を有する。海賊からの解放案件のみならず、海賊対策についての助言も行っている。

船舶火災沈没座礁

火災の多くはコンテナ船で発生する。座礁、沈没事件は航海過失から発生するだけでなく貨物の液状化、不十分な貨物の固縛、不適切なバラスト操作等によっても発生する。これらの事件では十分な技術・船舶運航に関する知識に基づいた助言が必要である。当事務所は高レベルの海事専門家を傭しているだけでなく外部の多様な専門家、調査人、鑑定人と緊密に連携をとっている。貨物求償/防禦にかかせない事件の原因究明には初期の段階から詳細な調査、研究を行う。

環境損害・防除/撤去

海難案件では、しばしば、油/有害危険物流出、環境汚染が生じ、汚染除去防除措置が必要となる。一方、第三者からの環境損害補償求償がなされる。関係行政機関及び団体は、船主、P&I クラブに様々な措置をとるよう要請をする一方、新たな種類の環境損害に関する要求が増えているのが最近の傾向である。 船舶が船骸となった場合、船主は、撤去の必要があるか、あるとしていつ、どのように船骸を撤去するかを関係機関、漁業関係者、近隣住民、その他利害関係者と協議しなければならない。方針が決まったら 救助業者、専門家と協議し、業者の選択、方法の決定を行なう。撤去契約が成立したら、契約通りに作業が進んでいるか確認し、またこの契約下で発生する様々な事態に対処する。なお、2011年の東日本大震災に伴い、当事務所は様々な船骸撤去案件に携わっている。

傭船契約

定期傭船契約、航海傭船契約は船舶に関わる一般的な契約で案件も多い。当事務所は、傭船契約条項、また傭船契約から発生する紛争に関して独自の知識、経験、ノウハウを有し、それらに基づき助言を行なっている。また、法的側面からだけでなく、当該案件の実務面での状況を考慮して助言を行なう。また当事務所は船主の関わる管理契約、船員配乗契約、代理店契約、傭船契約等その他全てについて幅広い経験を有している。

海上・航空・陸上運送契約

国際的貨物運送の分野では、船舶のみならず、航空又は陸上における輸送手段が重要性を高めている一方、契約の履行前における政治経済事情の変更、関係者の利害変化、条約の適否又は変更、特異な国内法規や実務慣習の存在などによって紛争の絶えない領域でもある。当事務所は、関連地域の弁護士や専門家と連携して、条約・外国法の調査、契約条項の解釈、債権回収の可否に関する公正意見の提出、現実的債権回収や防御について多くの実績を残している。

海上保険

海上事故による損害填補を目的とする海上保険(船舶保険、P&I保険、貨物保険等)は海事法と密接する領域であり、本邦の海事・保険法は勿論、英国の保険法・保険約款の知識や実務経験も重要である。当事務所では、保険事故についての示談交渉を中心として、保険填補の可否に関する意見の提出、保険約款の解釈についての助言、船主等に対するロスプリベンションの提言などを行っている。

国際商取引

国際取引においては、各国の主権、法規制、司法実務、取引慣行、当事者の法意識、営業政策及び価値観の相違により深刻な契約紛争に至ることが少なくない。海事案件で蓄積された外国法、国際民事訴訟、外国仲裁、準拠法(国際私法)に関する知識及び経験が生かされる分野である。当事務所は、このような事案に対し迅速かつ適切に対応できる人員及びネットワークを有しており、また海事近接分野のみならず、広く国際取引(商事売買、請負、業務委託、倒産、労働、知的財産権、金融、その他)に関する契約書の作成及び検討、これらに関する紛争処理を多数手掛けている。